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子宮頸がん Part1

子宮がんは子宮の入り口に発生する子宮頚がんと赤ちゃんが育つ場所である子宮体部に発生する子宮体がんの二つに大別されます。

子宮頚がんの罹患率は女性特有のがんとして乳がんに次いで第2位であり、20~39歳という比較的若い世代において発症することが多いとされます。
また他のがんが横ばい状態であるのに対し子宮頚がんは年々増加の一途を辿っています。

【ヒトパピローマウイルス(HPV)との関連】

1983年にドイツのDr.zurHausenにより、子宮頚がん組織にHPV-DNAが発見されて以来、HPVが子宮頚がんの発症に大きく関わっていることが分かりました。
HPVはヒト乳頭腫ウィルスとよばれ、ヒトの皮膚などに感染するとイボを形成するウィルスです。
これが性行為などにより子宮頚部に感染すると細胞異形成を発症させ、がんに進展すると考えられています。

長い年月を経て軽度→高度異形成に病態が進行し、HPV感染から子宮頚がんを発症するには10年以上の年月を要するとされ、さらに90%以上の子宮頚がん患者からHPVが検出されています。
HPV感染の有無を調べるためには、一般的に抗体検査は行われておらず、子宮頚部拭い液でHPV-DNAを同定することにより簡単に検査が可能です。
また、2010年4月にHPV-DNA検査が健康保険適用となりました。
しかし保険適用には細胞診を行い、わが国でも日母分類から最近移行されたベセスダシステムによりASC-US(意義不明な異型扁平上皮細胞)と判定されなければならず、保険適応が限定されています。

HPV-DNA検査キットは日本国内で数種類の製品が販売されていますがハイブリッド・キャプチャー法によるHPV-DNA「ミツビシ」HCⅡ(三菱化学メディエンス)が世界中で最も普及しているいる優れた測定法とされています。
HPV感染を阻止することが、子宮頚がん患者を減少させる最良の策といえるでしょう。

【HPVワクチンと子宮頚がん予防】

わが国では2009年10月に発がんに最も関連性が高いといわれる16/18型を含む2価のHPVワクチンが厚生省により承認され、12月には発売、投与開始となりました。
ワクチンを接種し(特に初交年齢に達する前)、HPV感染を防御することは、子宮頚がんの増加をくい止める朗報となると考えられます。
しかし、ワクチン接種費用は1回につき15,000円程度必要であり、しかも3回接種が標準とされていますが、接種の公費補助を行っている自治体はまだ多いとは言えません。
また効果に関して疑問視する研究者もおり、普及に関してはまだまだ問題が残されています。

【最後に】

がんを克服するためには早期発見・早期治療に優れるものはありません。
そのためには定期的に検査を受けることが必要です。病期がⅠ期では5年相対生存率が90%以上、Ⅳ期では20%以下というデータもあります。

HPVは感染後2年程度で自然に排除されますが、一般に抗体の力価が低いため、何度も感染することがあり、また有効な抗ウィルス剤は現実的には存在していないため、薬によるHPVの治療というところまでは至っていません。
しかし、さらに広いHPVの型を網羅した多価のHPVワクチンが開発中であり、完成すると広範囲に感染防御が可能になります。
安価で安全性が高く、かつ有効な多価ワクチンの完成が待たれます。

次号へつづく・・・