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子宮頸がん Part2

【子宮頸がんヒトパピローマウイルス(HPV)の型】

HPVは現在、100以上の型が同定されています。
その型はウイルスの遺伝子の相同性により分類され、良性のものとしては、現在はあまり見られなくなりましたが、手の皮膚などにイボを発生させる1,2型や性器粘膜などに感染してコンジローマの原因となる6,11型などが知られています。
近年、がんに発展するリスクの大小は感染したウイルスの型によることが大きいということが判明し、がん化させる可能性が低い「底リスク型」と、比較的高い「高リスク型」があることが分かってきました。

【HPV検査の問題点】

HPV検査は2010年の診療報酬改定で健康保険適用にはなりましたが、細胞診検査を実施し「意義不明な異型扁平上皮細胞が認められる」という意味の”ASC-US”と診断されなければ保険適用が認められず、さらに医療機関としては施設基準をクリアし、申請しなければなりません。
細胞診の結果で”ASC-US”になる割合は約3~5%といわれ、健康保険で検査を実施するのは困難であり、事実上はほとんどが保険適応にならないと言わざるをえません。

また通常のHPV検査は複数の型を一度に検査するものであるため、型を同定することはできません。型同定が必要な場合はさらにタイピング検査が必要となります。

【HPV検査と健診】

これまで自治体によっては子宮頸がん検診無料クーポンを配布している地域もありました。
しかし一般の子宮頸がん検診も費用が受診者負担となる場合があり、またHPV検査はオプションとなり大概が自費となるため、受診率は必ずしも高いとは言えません。
最近ではレディスドックなどの検診項目にHPV検査を取り入れる施設が増えてきています。
企業健診などでも広くHPV検査を取り入れることが可能になれば子宮頸がん発症をさらに減少させることが可能になると考えられます。

また、医療機関でHPV検査を受けることが困難な方は自己採取による検査も可能です。

【終わりに】

HPVは性行為によって伝搬されるウイルスですが、梅毒や淋病などの性病とは異なります。
また、感染しても特段の自覚症状がない、いわゆる不顕性感染が多く、ほとんどが感染に気付きません。

感染者の約90%は自分の免疫力により1~2年程度でウイルスを排除しますが、残りの10%の感染者がそのまま持続感染し、そしてさらにその中の1~2%の人が感染から10年以上もかけて細胞の異形成を経てがんに移行すると考えられています。

また、初交年齢が低下する傾向がある昨今、20代女性の不頸性感染は決して少なくなく、社会的にも深刻な問題となっています。
ガイドラインでは、細胞診及びHPV検査が陰性の場合、次回のスクリーニング検査は3年後で良いとされています。子宮頸がんに対する安心を手に入れるためにも、検査は非常に重要です。

また、子宮頸がん予防の切り札とされるHPVワクチンの公費助成も2010年6月現在で68市町村を数えており、さらにインフルエンザワクチン接種のような、学校内での集団接種も検討されています。